ダブルストラップは誰のため(2)

 前回の続き。ダブルストラップを使って欲しいもう一つのタイプとは誰なのか?その結論を出すには、少し説明が必要だ。

 私は、去年の秋から今年の春に掛けて、都内の主要駅(東京、銀座、表参道、吉祥寺等)でショルダータイプのバッグがどのように使われているかを観察した。主に、朝の通勤・通学の時間帯の午前8時、学生が帰宅する午後3時、サラリーマンが帰宅する午後6時頃を中心として、バッグのタイプ、どちらの肩に掛けているか、複数のバッグの持ち方といった項目をカウントしていった。その過程で『ショルダータイプのバッグを肩に掛けている人は、掛けた側の腕を振らない(振れない)』ということに気付き、そのことがこのサイトを作る直接のきっかけの一つになっている。

 

 しかし、何千人という人を観察しているうちに、私はもっと大切なことに気付いた。それは、持っているバッグの種類どころか、それ以前の問題として、バッグを持っている/いないに関わらず、きちんと腕を振って歩いている人がほとんどいない、ということだ。そう、ほとんどの人は満足に腕を振って歩いていないのだ。

 「きちんと腕を振る」の定義も難しいが、ここでは「正しい姿勢で、肩こりを防止する程度に上半身の血流をうながす腕の振り」とする。このサイトに辿りつき、ここまで読んでくださってる人なら、それほどくどい説明は不要だと思う。私は、肩こりの根本的な予防には、きちんと腕を振った歩行により、上半身の血流をよくすることだと考えている。ほとんどの人が満足に腕を振れていないということは、それはつまりほとんどの人が肩こりの予備軍だということではないのか?(どれくらいの人が肩こり予備軍なのか?これについてはいずれ別項目を立てて解説する予定)

 それでは、どうしてほとんど人はきちんと腕を振れないのか?私もはじめて『きちんと腕を振って歩く』ことを意識した時、自分がやけに大げさに腕を振っているような、通りすがりの人が自分の腕の振りを見ているような自意識過剰な気恥ずかしい感覚を覚えた。これほどまでに、腕をしっかり振るというのは日常生活の中に根付いていない。少し前から、私はブログ村に参加しているが、姿勢・歩き方のランキングの前後を見ると、その多くがウォーキングメソッドのサイトだ。このことも、普通の人がいかにきちんと歩くことができていないか、意識していないかを間接的に現しているように思う。しっかりと腕を振り、顎を引き、背筋をきちんと伸ばして歩くには、誰かの指導、教育が必要なのかも知れない。

 

 多少脱線するが、私の子どもは今年から小学校に通うようになった。小さな身体に大きなランドセルを背負った姿は、微笑ましいというよりは痛々しいが、ランドセルなら両手が自由になるからいいか、と思っていた。しかしその考えは甘かった。今の子どもたちは荷物が多い。やれ体操着、水着、絵の具、ピアニカ、学童セット、習い事、なんだかんだでランドセル以外に手提げを一つ、多い時は二つ持ってゆかなくてはならない。これではきちんと両手を振って歩けない。同時に自然と近所の中学生、高校生に目を向けるようになったが、大抵は肩掛け式の学生カバン、あるいはスポーツバッグの斜め掛け、あるいはディパックを片方の肩に掛けている(片手で持ついわゆる学生鞄はほとんど見られなくなった)。問題はその歩き方で、ほとんどの生徒が身体を斜めにして腕を振らずにトボトボと歩いていることだ。もちろん腕は振っていない。そう、私はダブルストラップを使って欲しいと考えるもう一つのタイプとは、実は中高生だ。

 正しい歩行はきちんと指導を受けて、実践を積まないと一朝一夕でできるものではない。小学校や中学校では体育の授業に正しい歩行を教わるだろうが、それはあくまで手ぶらであり、かたや日常生活で手ぶらであることはまれである。特に身体が発達途中の中高生が背骨を湾曲させて(片方の肩にバッグを掛けた場合に必然的に曲がる)だらだらと腕をふらずに歩くのが望ましいとは到底言い難い。しかし、学習能力が高く、頭が柔軟なこの時期にきちんとした歩行方法を教育してあげられれば、それは一生の宝になる。健やかな成長を促し、健康を維持し、肥満を防止する。一度身に付いた習慣はそう簡単に忘れはしない。それは言ってみれば、子どもたちの未来を作ってあげることだ(この項、続く)。

 

 

 

 

 

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